健康経営とは、「企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても 大きな成果が期待できる」との基盤に立って、健康管理を経営的視点から考え、 戦略的に実践することを意味しています。 従業員の健康管理・健康づくりの推進は、単に医療費という経費の節減のみならず、生産性の向上、従業員の創造性の向上、企業イメージの向上等の効果が得られ、かつ、企業におけるリスクマネジメントとしても重要です。 従業員の健康管理者は経営者であり、その指導力の元、健康管理を組織戦略に則って展開することがこれからの企業経営にとってますます重要になっていくものと考えられます。
「健康経営」の背景は、上記の図1~3(東京商工会議所資料)に示されています。
図1:生産年齢人口(15歳~64歳)の減少による人手不足
生産年齢人口の減少に伴う労働力人口の減少が懸念され、ますます中小企業は人手不足を感じるようになるでしょう。
図2:労働力人口の高齢化
1970年代には労働力人口の平均年齢は38.4歳でしたが、2015年には45.8歳まで上昇しています。中小企業の現場では65歳以上の従業員も増えています。
図3:国民医療費の増大
国民医療費は1990年に20.6兆円でしたが、2014年は40兆円を超え、2025年には54兆円になるとの推計もります。
現在「健康経営優良法人」認定制度を創設し、認定企業として大企業には健康経営優良銘柄の選定が実際に行われており,今後、中小企業には金融・労働市場での評価(低金利融資、信用保証、人材紹介、採用広告、入札評価)などのインセンティブの措置が検討されています。また、健康経営優良企業認定取得の支援策として、健康経営ハンドブック(事例集)の策定及び、「健康経営アドバイザー」の養成が始っています。健康経営アドバイザーには『従業員の「健康づくり」に係る知見』と『企業の「経営」に係る知見』の双方を合わせもった人材であることが重要で、社会保険労務士は人事・労務管理や安全衛生に精通しており、最適な人材です。
これから先の時代は、少子高齢化による、若年者の採用難,高齢者雇用,外国人労働者雇用など、ダイバーシティのメリットを生かせるように、雇用環境を整えていかねばなりません。その中で「ここで働きたい」と選ばれる会社であるためには「働く人が安心して働くことができ、パフォーマンスを発揮し、その結果業績が向上する」企業体質であることが、継続企業としての条件と思われます。
そこで、人事・労務管理に「健康経営」を採り入れ、制度を構築し、積極的な実践・運用が行われたなら、トラブルを予防する企業体質へと自然に改善され、たとえトラブルが起きたとしても、重症化するまでには至らないでしょう。
「健康経営」の成果として、事業者の側面から「健康問題による労働損失の削減」「組織活力の向上」など生産性の向上が見込まれ、それは企業の存続,発展に寄与します。従業員の側面から「職業生活の充実」などからキャリア形成,職業人生の充実に寄与します。
また、従業員を大切にする会社ということで、企業の社会的評価も上がり、さらに優秀な人材を集めることや、離職防止につながるでしょう。
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